ウミガメの繁殖活動(産卵~孵化、脱出)

久米島ではアカウミガメアオウミガメの2種が産卵のため上陸します。

雌の個体は1シーズンに2週間置きに3~5回程度同じ砂浜に上陸し産卵します。シーズン中はリーフ内の浅瀬にいるので息継ぎする姿や浅瀬を遊泳する姿が岸やカヤックの上から頻繁に観察できます。

また、ウミガメは数年に一度同じ砂浜を訪れ産卵することと考えられており、各地で「○年ごとに同一個体が産卵にきている」などの報告があるようです。

 

産卵の多い時期

 アカウミガメ・・・4月から7月

 アオウミガメ・・・7月から9月

アカウミガメの産卵(国頭村)
アカウミガメの産卵(国頭村)
アオウミガメの産卵(久米島)
アオウミガメの産卵(久米島)
リーフ内のアオウミガメ(座間味島)
リーフ内のアオウミガメ(座間味島)

・産卵

上陸し穴を掘りそこに卵を産み落とします。

 

1回の産卵で120~140個くらい卵を産み落としますが、私の見た中では72個~178個と個体によりかなりの差がありました。また、1シーズンで何回目の産卵かによっても卵数は異なるような印象も受けました。

 

ピンポン玉のような形状をしており、大きさはアカウミガメで40mm前後、アオウミガメは一回り大きいです。

アカウミガメの産卵巣
アカウミガメの産卵巣
ウミガメの卵
ウミガメの卵
アカウミガメの産卵
アカウミガメの産卵

・胚の発生

産卵された卵は砂のなかで胚が発生します。

胚の発生が始まると卵の中で卵殻にくっついて向きをかえられなくなるため卵の天地を変えると死んでしまいます。また冠水すると著しく孵化率が低下します。

発生のある段階の温度に雌雄が決まります。これは一部の爬虫類で見られる性決定の仕方で「温度依存性決定」と言います。

卵の産む位置により台風などの高波時に、冠水したり、砂浜の浸食により流されてしまう場合もい多いです。

 

発生中の胚(死体)
発生中の胚(死体)
発生途中の胚(死体)
発生途中の胚(死体)
冠水した卵
冠水した卵

・孵化と脱出

産み落とされてから約2ヶ月で孵化した子ガメが地上に這い上がってき、海に向かって行きます。

海に向かうアカウミガメ
海に向かうアカウミガメ
アカウミガメ 子ガメ
アカウミガメ 子ガメ
アオウミガメ 子ガメ
アオウミガメ 子ガメ

・孵化率

産卵してから脱出するまでは、砂の温度や水分環境、波など様々な要因が孵化率に影響します。

健全な場合95%以上孵化し脱出する場合もありますし、全滅する場合もあります。

 

もちろん、産卵する場所によっては高波や捕食などの自然現象により死亡してしまい自然の摂理だと思いますが、近年は護岸や人工物の影響により孵化条件の悪い環境でしか産卵できないという海浜も見受けられます。

 

脱出後数日経過した産卵巣の卵の状況をみると孵化率が分かります。

また、多数の卵が発生の同じ時期で死んでいる場合は、その時期に冠水など死に至る事象が起こったことが推測できたりします。

 

孵化率は温度と台風等により海水をかぶったかどうかが大きく影響しているように思います。

時期はずれに産んだものや大きな台風の影響を受けた場所では孵化率が著しく低くなることが多いです。

シーズン中に海岸線から離れた草本帯で産卵したもの等の孵化率が高いことが多いです。

 

孵化率調査①
孵化率調査①
96%が孵化し脱出したと想われる
孵化率調査②
孵化率調査②
ピップ(卵殻が割れる)前、ピップ後、孵化後など様々な段階のものがある
孵化率調査③
孵化率調査③
ほとんどがピップ前の状態