砂浜に思うこと

ウミガメは全種ワシントン条約の付属書に掲載される絶滅危惧種で日本で産卵する3種は環境省のレッドリストに掲載される絶滅危惧種です。

 

久米島には、夏になるとアカウミガメやアオウミガメが産卵のため沢山沿岸にやってきます。この2種に関しては、見かける頻度からも、私が生きている間に地球上から姿を消すということはないと思います。

ただ、ウミガメの繁殖活動である砂浜の状況は悪化していると感じています。

 

私は、ウミガメの観察や調査を通して沖縄の砂浜を歩いてきましたが、護岸の設置や人工的な海洋構造物などにより潮流が変化しウミガメが産卵しにくくなっているような場所に多く出会いました。また、わずか数年の間で変化していく場所もありました。

 

砂浜や干潟といった海と陸の狭間にできる環境は非常にデリケートで海、陸両環境からの影響を受けそのバランスにより絶えず変化しながら成り立っています。また、砂浜はウミガメだけでなく多くの生き物の繁殖の場となっており、沖縄ではヤシガニやオカヤドカリ、オカガニなどの陸生甲殻類が放卵を行ったり、ウミヘビのような海の生き物が産卵を行うなど、陸の生き物にとっても海の生き物にとっても繁殖に欠かせない場所になっています。

 

現代社会の一つの課題ともいえる「人と自然の共生」は社会全体で取り組まなければならない課題だと思います。

この砂浜というのが多くの生物にとって欠かすことのできないものであり、沖縄の砂浜環境が近年大きく変化しているということは、まだまだ社会的に認識不足な気がしています。

 

ですので、ツアーの中でも、ウミガメの足跡や色々な生き物を観察することができますので、沖縄を訪れた方に砂浜という環境について考えるきっかけになればと思います。

 

カクレイワガニの放卵(久米島)
カクレイワガニの放卵(久米島)
垂直護岸が障害物となり右往左往するアカウミガメの足跡(沖縄島)
垂直護岸が障害物となり右往左往するアカウミガメの足跡(沖縄島)
排水施設の浸食によりアカウミガメの産卵巣が流出した箇所(沖縄島)
排水施設の浸食によりアカウミガメの産卵巣が流出した箇所(沖縄島)