マングローブ林域

生命のゆりかごとも表現されるマングローブ林域は沢山の生き物が生息し繁殖活動なども行う。


(河口部から:西表島)

マングローブ林は、熱帯や亜熱帯において、潮の満ち引きにより陸化と水没を繰り返すような潮間帯という干潟環境に形成される。

(満潮時)

(干潮時)
このマングローブ林を散策すれば、満潮時には海の魚も入ってくるし、干潮時にあるけば、甲殻類やヒルギ林、餌を求めて来た鳥類など、実に多くの生き物が観察でき楽しい。



(ミナミコメツキガニ)

 



(満潮時に観察できる海生魚類)


では、この生き物たちを支える源は何だろうか??

それは、森林土壌である。

生態系を支える源は、植物などが行う一次生産(光合成などにより無機物を有機物に変換する代謝)である。

上流部のジャングルでは旺盛に植物が育ち、落葉や枯死することで林内には有機物が堆積し、肥沃な森林土壌が形成される。

熱帯、亜熱帯特有の集中的豪雨などにより下流部に土砂が流れ堆積する。この堆積部が潮間帯であればヒルギ類などが構成するマングローブ林が形成される。

 



(ホソバリュウビンタイ:シダ植物がこのサイズに育つ程に生産性が高い)



(西表島の主要マングローブ構成種の一つヤエヤマヒルギ)


もちろん、河口部に生育するヒルギ類も一次生産を行う。

つまり、マングローブ生態系というのは、上流部のジャングル由来の肥沃な土壌、ヒルギ類などの環境内での一次生産、それら生産物の海域への流出・・・これらのバランスの上に成り立った環境下で多くの生き物が生息している生態系の構造なのである。


このような生態系構造を、デトリタス生態系と言い、デトリタスとは生物の遺体や生体の破片又はそれらを含む土壌を指し、それらを源とする生態系である。熱帯地方ではデトリタスを分解する微生物の働きも速いため多くの有機物が栄養分となり生態系の中に取り込まれるのだ。

サンゴ海域同様に、有機物質の豊富な生産量と流入量、そしてそれらを消費する上で、複雑な構造を作り上げ、生命のゆりかご的空間になりえるのです。

熱帯・亜熱帯の密生した林内にはたくさんの感動的な情景があります。