南の島からやってきた

植物は種子を広く散布しながら分布域を広げていきます。

植物の種子の散布方法には色々あります。風で飛ばすものもあれば昆虫に運ばせるもの、海に浮く種を海流により運ぶ場合もあります。

 

 

琉球諸島は台風の通り道、黒潮海流の影響、渡り鳥の飛来地等の要因により南方系の植物種が偶発的に移入し定着するケースがしばしば見られます。特に八重山地域では南方移入の例が顕著に見れます。

 

例えば、日本では西表島の数箇所にしか分布しないヤシ科のマングローブのニッパヤシ

写真は西表島船浦湾。かなりの重装備で探索しました。

ここは日本か??と疑ってしまう景色です。



東南アジアから黒潮により運ばれてきた種子が定着し限られた環境下で群落を形成したのでしょう。

 

こちらは世界で1属1種を形成するヤエヤマヤシ。

写真は石垣島の米原にある群落。



ヤエヤマヤシは鳥類が種子を散布するそうです。渡り鳥が種子を運び定着したヤシが長い年月の中で遺伝的な変化を生じヤエヤマヤシになったのではないでしょうか??

 

 

こちらはモダマ。巨大な豆のを実らせる植物で屋久島まで分布します。

写真は屋久島の安房にて。



海流により流れたものがたまたま定着できたのだと思います。

 

 

実際にモダマやニッパヤシの種子は鹿児島県の大隅半島の海岸で確認されています。

 

このように琉球列島では、気候以上に熱帯系植物を観察できるフィールドです。黒潮の影響で温暖なことと南方からの動植物の移入が多いことが一つの要因でしょう。

 

偶発的に移入された種子が島という隔離された環境下で子孫を繁栄させる。その過程で地域独特の植物相が作られ、沖縄特有を作っていると思います。

又、現在でも台風や黒潮により南から多くの生き物が流入します。植物だけではなく、いわゆる迷鳥や迷蝶も多く確認されてます。

 

島という閉ざされた環境でありながらも他地域の生物から影響を受ける。

これこそが琉球列島のおもしろさだと思います。

ガラパゴスや小笠原にはない、琉球オリジナルなんです