尖閣諸島を考える

完全に個人的な観点から尖閣諸島を考えたいと思います。

尖閣諸島は前々から生物地理学的な興味を抱いていた地域です。

尖閣諸島は一番大きな魚釣島をはじめ五つの島と岩礁から成ります。

よく映像で見る魚釣島を見ている限り、ビロウ林が広がり、急峻な海岸地形が印象的です。
かなり風当たりが強そうで過酷な状況をイメージしますが、渓流部には密林もあるそうです。

明治時代に開拓され鰹業の工場跡などもあり、人的影響はかなりあるようですね。

急斜面以外の有用樹木はほとんど刈られたようで、ヤギやジャコウネズミなど移入種も多いようです。

孤島であるゆえセンカクモグラやセンカクサワガニなど固有種も多いです。

尖閣諸島の生物相を見ていると、ツタやオオミズゴケなど他の琉球諸島には分布せず本土と大陸に共通のものがいたり、セスジネズミなど大陸よりの生物種が確認されていたりと興味深い部分があります。

琉球諸島は島化し大陸と分断され独自の生物相を築いてきましたが、尖閣諸島は琉球諸島が孤島化してからも何回か大陸と繋がった経緯があります。

そのため琉球由来の生態系の中に、大陸との共通性を垣間見ることのできる地域なのです。

植物相については、海岸部はアダンやモンパノキが優占する他の琉球諸島と同じような広域分布する植物から成る亜熱帯性林が広がっているようですが、海流による南方からの種子などの漂着が多いようです。
さらに、鳥類相のほとんどが海鳥や渡鳥であり、それらが他地域より種を運んでいることも想像できます。

また、尖閣諸島のような孤島においては海洋性気候により、植物の生育に過酷な環境となるが、急峻な地形などが生む谷部などには部分的に良環境が存在すると思われる。
しかしながらこの良環境も規模が小さいため数百年に一度の異常気象などで破壊されることが想定される。
攪乱と遷移を繰り返す中に生じる生態的なギャップの中に、新たな種の侵入の可能性があると思う。

他からの種子の移入と、ギャップの存在が偶発的にリンクすれば、他地域の植物がそこで生育する可能性があり、尖閣諸島ではそのような植物種が小規模な群落を作っているのではないかと妄想は膨らむ一方である。

個人的に興味を持っている、ヤシガニやオカヤドカリなどの陸生甲殻類の分布についても、地理的な観点から非常に興味深いです。

国際問題に発展しないのであればぜひとも、上陸して、ロングステイにしゃしゃりこんでとことん現地踏査したいですねぇー。

尖閣諸島は高度経済成長を遂げた日本において、数少ない残された探検島であります。

さらに、琉球の生物地理学を進める上で極めて重要な地域だと私は捉えています。

  (2014、1月)