ヤシガニ 〔Birgus latro〕

十脚目 オカヤドカリ科

 

名前にカニとついているがヤドカリの仲間である。

陸生甲殻類の中では最大種。

 

久米島では6月から9月くらいに海岸付近の岩礁地帯で見かける。

夜行性で日没以降活発に動く。夜歩いている姿を目撃する。日中でも洞窟内など暗い場所では動いているのを見る。


・分布

ヤシガニはインド洋と西太平洋の熱帯~亜熱帯域に広く分布している。ところどころに分布しない空白地帯がありボルネオ島等では生息しないという。また、ヤシガニは成長が遅く食用目的に乱獲され姿を消した島もある。

日本では沖縄や奄美諸島の一部、小笠原諸島に分布するが、小笠原諸島ではかなり稀少らしい。

・食餌

アダンを食べるヤシガニ(久米島)
アダンを食べるヤシガニ(久米島)
漂着したココヤシを食べるヤシガニ
漂着したココヤシを食べるヤシガニ

ヤシガニと言えばヤシの木に登ってヤシの実を食べる姿をイメージする方も多いと思う。ヤシの実を好んで食べるが雑食性であり、食べれるものなら何でも食べるようだ。沖縄ではアダンの実を食べることが知られており、久米島でもしばしば見かける。


・生活史

抱卵しているヤシガニ(久米島)
抱卵しているヤシガニ(久米島)

ヤシガニは幼生期海中を漂うプランクトン生活をするが、その後は陸で生活する。

夏に繁殖を行う。交尾後腹部の裏側に卵を産みつけ1~2ヶ月生活し、孵化した幼生を海に放つ、幼生は海を漂い、その後海底生活を経て陸にあがる。海中で生活する機能を失い、残る生涯は陸で生活する。成体になるまでは4~8年程かかるらしい。

ヤシガニは小さい頃はヤドカリとおなじように貝殻に入るようだが、大きくなると貝を捨てる・・・大きすぎて入れる貝もないのだろう。

久米島では、繁殖のピークは7.8月だと思われ、その頃が海岸付近で観察できる個体数が一番多い。

 


・ヤシガニの水の飲み方

ヤシガニ観察のため転石や岩礁地帯を散策していると、しばしば水溜りで飲水するヤシガニの姿を見ます。

その飲み方がおもしろいので←の動画をご覧下さい。

はさみを器用に使いながら飲んでいます。

 

ちなみに、ヤシガニは海水も雨水も飲むらしいです。


・ヤシガニ観察ツアー

あおしょうびんでは 「ヤシガニ探しツアー」 を開催しています。

ぜひとも、この奇妙な生き物の形態や行動を観察して頂きたいと思います。

観察しだすと夢中になりますよ。

ヤシガニの他にも、同様の繁殖の仕方をする陸生甲殻類(オカガニやオカヤドカリ、カクレイワガニ)をはじめたくさんの生き物を観察することができます。